
新型コロナの感染拡大から約1年がたつも収束の気配はなく、日ごとに増える倒産、経営悪化、リストラのニュース。「泥舟から逃げ出さなくては!」と焦燥感は募るが、今、転職するとどうなるのか? 世襲が中心の住職になれるチャンスを掴んだものの、まさかの顛末が待っていたという男性に話を聞いた。
憧れの住職から一転して無職。コロナで夢を絶たれた僧侶
仏教系の大学を卒業後、フリーランスの僧侶として働き年収300万円稼いでいた太田郁夫さん(仮名・44歳)。しかし、コロナ禍以降は三密を避けるために葬儀や法要などの依頼が激減。妻と二人の生活費を稼ぐべく、副業で病院の警備の仕事を始めた。しかし、コロナ禍の病院勤務は、想像以上にシビアだったという。 「コロナ指定病院ではなかったものの、いつコロナ患者の応対をすることになってもおかしくないので、ストレスは相当なものでした。勤めていた病院は、患者には入口でアルコール消毒させるだけで、検温すらしない、警備員にはマスクの支給すらなし。 また、感染拡大が進むたびにスタッフの入館手続きのセキュリティをどんどんアップしていくので、病院関係者から『前はこんな煩わしい手続きがなくても入れたのに!』と、連日八つ当たりで罵倒されました」
寺の住職になれるチャンス
だが、コロナ禍で本業の僧侶の収入がほぼゼロになったため、警備で得られる月14万円を手放すわけにはいかない。そんな折、太田さんに吉報が届く。 「知人の住職が『4月に引退するので、寺を継いでくれ』と声をかけてくれたんです。住職になれば月20万円程度の収入は安定するし、病院勤務のストレスから解放される。 そもそも住職は世襲が中心で、実家が寺ではない私にとっては長年の夢がかなうチャンス。有頂天になって今年1月に警備の仕事を辞め、準備を進めていたんです」
喜びもつかの間、まさかの展開が…
しかし、喜びもつかの間。まさかの展開が待っていた。 「コロナが予想以上に長引きそうなためか、急遽、住職の話が白紙に戻ったんです! 夢がかなうはずが、一転して無職。 こんなことなら、ギリギリまで警備を続けるべきでした……。蓄えが尽きる数か月後までに再就職しなければと頭では理解しているものの、目の前で夢が散った衝撃が大きく、今はただ途方に暮れています」 コロナ禍では事態がどう急変するかわからない。油断は禁物だ。 <私の後悔> 次の仕事が始まる直前まで、仕事を辞めてはいけない <取材・文/週刊SPA!編集部> ―[コロナ転職の地獄]―
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