
「数年以内に新駅ができる」と…
不動産価格の上昇が連日ニュースで報道されています。価格帯の高い都心部に比べ、郊外の物件は価格帯も手の届きやすいものが多いのも事実。しかし、迂闊に手を出してしまうと、とんでもないことになる可能性があるのです。 先日、不動産の売却相談を受けました。売却の検討をしているのは、埼玉県の、とある駅から徒歩35分ほどの位置にある築30年超の戸建です。 相談者の方は、バブル真っ只中である1990年に、新築でその戸建てを買いました。大手不動産ディベロッパーが開発した戸建で、周辺には当時、数十の新築戸建が開発されました。バブル当時は東京23区の戸建ては億を超えていたのですが、その戸建ては6000万円ほどで購入できる点が魅力的でした。 駅距離には難点があったものの、当時の営業担当者いわく「数年以内には新駅ができる見込み」とのことで、その言葉を信じて購入しました。当時は自家用車もあり、駅ができるまでは自家用車で駅まで通勤すれば良い、と相談者は考えたそうです。 しかしその後、結局駅ができることはなく、現在まで自家用車で駅まで行くハメに。年齢的に車の運転が厳しくなってきたこともあり、家を売却して都心の利便性が高いところに引っ越したい、と考えたそうです。
再開発で資産価値が上がったケースも
購入時には6000万円だった戸建てですが、私が査定したところ、800万円以下でも売れるかどうか怪しい、という査定になりました。そのエリアにはそもそも住宅のニーズがなく、売れるかどうかもかなり厳しい地域だったのです。 相談者の方は結局、都内に住む子供と同居することになったのですが、もし折り合いがつかず、一生その家に暮らさなければならないケースを考えると、かなり厳しいものがあります。駅距離が遠い上に、周りに買い物施設もないので、生活が不便な事この上ないのです。 「戸建は土地が残るから良い」と言いますが、その土地が自分を幸せにしてくれるとは限らないのです。 一方で、新築時から大きく値上がりした不動産もあります。2004年に東京都江東区で分譲されたあるマンションは、新築分譲時は90㎡で3LDK、価格は4000万円弱でした。ところが現在では、流通価格は約6000万円。なんと約2000万円、50%も値上がりしています。 なぜこんなにもこのマンションの値段が上がったかというと、ひとえに「再開発によって街の魅力が増えたから」ということができます。 このマンションは、東京臨海高速鉄道りんかい線の東雲駅が最寄駅になります。東雲駅に降りたって見ると分かりますが、駅の前には高速道路が走っており、どことなく殺風景な印象を受けます。 しかし駅から数分間歩くと様子がガラリと変わり、イオンなどの商業施設やタワーマンションが立ち並ぶ整備された街並みになります。 マンションが発売された当時は、これらのイオンや商業施設、他のマンションがまだ出来上がっていない状態でした。当然、街としての魅力はイマイチ。 しかし2004年以降、東雲エリアはお隣の豊洲エリアと共に再開発がどんどん行われていき、街としての魅力を増していきました。そして街の魅力を増すのと共に、不動産価格も上がって行ったのです。
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