
5歳から11歳の子どもへの新型コロナウイルスのワクチン接種について、厚生労働省の専門家による分科会は23日、来年3月にも始める方針を了承しました。オミクロン株への警戒が高まるなか、我が子にワクチンを接種させるべきか否か、悩む保護者は多いでしょう。予防接種に詳しい長崎大学小児科の森内浩幸教授に聞きました。
――5~11歳が接種の対象に加わることに、分科会では異論は出ませんでした。
まず、ワクチンが使えること自体は朗報だと思います。
有効性は間違いなくあると示されています。
新型コロナにかかって重症化する恐れの子どもたちは大勢います。もしも私に5歳のダウン症の孫がいた場合、またはメタボリック症候群の子どもが知り合いにいた場合、接種を薦めますね。
――健康な子どもにはどうですか。
健康な子どもは全世代でみて一番リスクが低い世代です。
私は10代後半からは接種を強く薦めますが、もっと下の年齢は一人も亡くなっていません。
一方、インフルエンザウイルスやRSウイルスにかかって毎年相当数の子どもが亡くなります。
インフルエンザは脳症も起こし、大変な後遺症が残ることもあります。
こうした横綱級のウイルスと比べると、新型コロナは(現時点では)平幕の力士なんですね。まあ、平幕でも何かの拍子で幕内優勝することもありますから油断はできませんが……。
副反応のデータをどうみるか
――日本の健康な子どもはどうすればいいでしょうか。
「迷ったら、待っていいです」と言いたいですね。
少なくとも深刻なウイルスではないので、もっとワクチンの安全性のデータが出てからだと思います。
海外の治験データは、たかだか1500人前後(偽薬を使った人が750人前後)。
懸念されているアナフィラキシーや心筋炎、血栓症のデータが出てきません。
十数万人に1人しか起こらないものは、数万規模の治験でもわからなかったわけです。
ただ最近、米国で700万人規模の子どもの接種後の副反応についてのデータも出て、現時点では安全性については深刻な懸念はないようです。
さらに詳しい解析結果を待ちたいと思います。
米国とは違う状況
――様子を見たほうがよいのですか。
どんな医薬品もワクチンも、メリットとデメリットのバランスを考えます。全く副作用がない薬はありません。
いま米国では、5~11歳の年代でも190万人の子どもが新型コロナにかかり、94人が亡くなっています。米国ではコロナはインフル並みに怖い病気ということになります。
それに比べると日本ではインフルよりも一段と軽い病気です。
「米国は接種メリットが大きいけれど、日本はどうなの?」となりますね。
私が米国の小児科医だったら、健康の子どもにも迷わず薦めます。
でも日本では「慌てない、慌てない」という気持ちです。
メリットとデメリットのバランスをじっくりと見極めたいと思います。
――未就学児の5歳と、小学校高学年の11歳と体格は大きく違いますが、接種量は大丈夫ですか。
心配ありません。副反応に大きな違いはないようです。
――5歳未満もいずれ接種対象になりますか。
海外で大人の10分の1の量で治験が進んでいますが、これもデータをみてから考えたいですね。(聞き手・熊井洋美)
もりうち・ひろゆき 1984年、長崎大学医学部卒業。長崎大学付属病院、国立病院機構仙台病院、米国立アレルギー・感染症研究所などに勤務。99年から長崎大学小児科教授。日本ワクチン学会理事、日本小児科学会理事も務める。
からの記事と詳細 ( 「迷ったら待っていい」 5~11歳のワクチン接種、専門家の見方は - 朝日新聞デジタル )
https://ift.tt/3JpiYv5
待っています
No comments:
Post a Comment