瀬戸内に春の訪れを告げるイカナゴ漁が3月1日、解禁されました。
大阪湾と播磨灘はイカナゴの国内有数の漁場で、1日、漁が解禁されました。
このうち、明石市の林崎漁協では早朝から漁船が沖合に出て、午前8時すぎに網にかかった最初のイカナゴが水揚げされました。
多いときには年間3万トンが水揚げされていましたが、5年前から記録的な不漁となり去年は1467トンにとどまっていて、ことしも不漁が見込まれています。
このため、1日朝の初めての競りでついた値段は1キロあたり3200円と過去最高値となった去年並みの高値となりました。
林崎漁協の久留嶋継光 課長は「ことしもどれだけ漁ができるかわかりませんが、資源回復を目指して取り組んでいるので少しでも成果が出てほしい」と話していました。
そして、明石市の商店街にある鮮魚店には水揚げされたばかりのイカナゴを買い求める人たちが長蛇の列を作りました。
甘辛く煮つける「釘煮(くぎに)」を作るために、店の前で2時間並んだという神戸市北区の70代の女性は「春が来たという感じでワクワクします。北海道や石川などの知り合いも釘煮を待ってくれているので、きょうは一日、炊きっぱなしです」と話していました。
【豊かな海へ「富岳」活用】。
イカナゴの不漁は瀬戸内海がきれいになりすぎて、窒素やリンといった「栄養塩」が海中で不足したためとされています。
栄養塩を養分とするプランクトンが減少し、それを餌とするイカナゴなどの小魚にも影響が出たという訳です。
これはかつて、プランクトンの増えすぎで起こる「赤潮」が問題となり、きれいな海を取り戻すために、規制の強化や施設の整備が進んだことが背景にあります。
こうしたことを受けて、国は去年、瀬戸内海で栄養塩の濃度の管理を海域の実情に応じてできるように法律を改正しました。
来月の施行にあわせて、兵庫県は1日、神戸市の沖合より西側の県内のすべての海域で栄養塩が不足していることを明らかにしたうえで今後、管理計画を作成する方針を示しました。
さらに、大阪大学の研究チームはことし1月から、スーパーコンピューター「富岳」を使って栄養塩を増減させた場合に、水質がどう変化するかをシミュレーションする取り組みに乗り出しています。
瀬戸内海は島が多く、埋め立て地もあるほか、日本の南を流れる黒潮の影響も受けることから、複雑なシミュレーションが求められ、富岳を活用することになりました。
大阪大学の中谷祐介 准教授は「栄養塩を供給しすぎると再び水質汚濁の問題が発生する懸念もあり、ちょうどいい栄養塩のバランスをシミュレーションで明らかにしたい。きれいで豊かな海をつくることに役立てたい」と話しています。
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