Pages

Wednesday, May 18, 2022

介護のお金は「公助が第一。自助努力は本人の自由」で - 日経ビジネスオンライン

tunggusama.blogspot.com

 2017年3月、「『事実を認めない』から始まった私の介護敗戦」から連載を開始した、松浦晋也さんの「介護生活敗戦記」は、科学ジャーナリストとして自らを見る冷徹な視点から、介護を通した母親との壮絶な体験を、ペーソスあふれる文章で描き、絶大な支持をいただきました。コメント欄に胸を打つ投稿が相次いだのも記憶に残るところです。

[画像のクリックで拡大表示]

 この連載は『母さん、ごめん。 50代独身男の介護奮闘記』として単行本・電子書籍となり、介護関連の本としては異例の支持を集めました。22年1月には集英社文庫に収録されております(こちら。文庫版にはジェーン・スーさんとの対談が追加されています)。

 そして5年後。前回の最後は、松浦さんのお母様がグループホームに入ったところでしたが、今回はそこから今日まで起こったさまざまな出来事が語られます。

 介護施設に入居したことで、母親の介護は終わったのでしょうか。
 入居後にお母様、そして松浦さんを待っていたのはどんなことなのか。
 ぜひじっくりとお読みください。

(担当編集・Y)

 地獄の沙汰も金次第――母の入院に伴うお金の話がちょっと出たので、グループホーム入居に伴う出費について書こう。

 グループホームの利用には、国や地方自治体から補助金が出ている。だから利用者は自分が支払う以上のサービスを受けることができる。とはいえ、入居に伴い部屋代や食費、施設運営費などの支払いは発生する。年金だけで支出を賄うことができればそれに越したことはないが、なかなかそうもいかない場合もある。

 補助金制度や入居費用は年々改定されているし、介護認定の度合いでも変化する。母にとっての収入である年金も年々改定されている。だから、母の入居に伴う費用を事細かに公開してもあまり意味はないだろう。むしろざっくりと、「だいたいこれぐらいお金がかかりますよ」という概算を示したほうが、大づかみにグループホームとお金に関する状況を理解する役に立つはずだ。

 ここでは2022年時点の、母を巡るお金の状況を、ざざっとお見せすることにする。

私の母の介護にかかるお金

 まずはグループホームへの支払いから。これは年間を通じて1カ月に18万円台後半で推移している。支払いは「介護保険一部負担額」と「養育費」に分かれる。介護保険一部負担額は、介護保険制度の定める介護サービスを受ける際の自己負担分だ。ざっくりとスタッフからのケアを受けるための費用と考えていいだろう。

 介護を受ける当事者、または夫婦などの世帯の場合は世帯の所得により、1割負担から3割負担に分かれる。年金生活者で他に収入のない母の場合は1割負担だ。本人に一定額以上の所得があると、この負担は2割、3割に増える。このあたりの制度は度々改定されているので、その都度調べたほうがいい。ちなみに2021年度の場合「本人の合計所得金額が220万円以上、かつ年金収入プラスその他の所得が340万円以上の単身者」及び「合計所得金額が220万円以上、かつ年金収入プラスその他の所得が463万円以上の65歳以上が2人の世帯」は、3割負担となる。

 私の母の場合は、1割負担でだいたい1カ月に3万数千円を支払っている。これが2割負担なら7万円弱、3割負担なら10万円程度になるわけだ。

 養育費というのは家賃に水道光熱費に食費など。グループホームを「まかない付きの下宿」と考えた場合の家賃に相当する。母の場合は15万円強だ。

 支出はグループホームへの直接的な支払いだけでは終わらない。母の衣類、日々使用するリハビリパンツ、その他こまごまとした日用品は、スタッフが買い出しするのだが、そのためのお金は別途ホームに預けている。「下着が傷んできたので新しいのを買いたい」というようなときはスタッフから「買ってもよいか」という連絡が入るので、その都度買うかどうかを家族が判断する。とはいえ、「買うな」などと言ったことはない。必要なものは必要なのだ。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細 ( 介護のお金は「公助が第一。自助努力は本人の自由」で - 日経ビジネスオンライン )
https://ift.tt/HditwLS
待っています

No comments:

Post a Comment