どこか控えめで、自分のペースは崩さない。サッカー日本代表で存在感を増してきたDF中山雄太(25)=ズウォレ。そのルーツを探るべく、出身地の茨城県龍ケ崎市を訪ねた。「ちょっと、待って」――。中学時代、幼い子に見せた優しさは、世界で戦う今の姿にも通じていた。
愛犬と“練習”
「年の離れた兄と姉が少年団でサッカーをやっていました。保護者が練習に付き添うので、雄太をおぶって学校の校庭に行っていました。気がついたら、という感じだったんでしょう」
サッカーを始めたきっかけを母ゆたかさんに尋ねると、そう振り返る。目の前でボールが飛び交い、楽しげな声が耳に入ってきた。物心が付いた頃からグラウンドが遊び場で、始めるのは自然の成り行きだった。ボールを蹴り始めると、自宅のガレージなどで飼い犬のラブラドルレトリバーの「ゴン太」を相手にボールを取り合うなど、練習を繰り返した。「とにかくマイペースだった」。ともに教員のゆたかさん、父貴博さんは懐かしむ。
同市を拠点とする北文間(きたもんま)サッカースポーツ少年団で小学1年から中山を指導した飯田俊明さん(64)は「最初は他の子よりも体が少し大きく、まあ上手かな、ぐらいだった」と話す。だが、非凡な戦術眼を感じた時があったという。
小学4年の頃。試合に出場していない時も仲間のプレーから目を離さない中山から、そっと声を掛けられた。「コーチ、今のボールは左に出した方が良かったよね? 僕だったら、そうするな」。どう攻撃を組み立てるか。自分なりの考えを持ち合わせていた。
幼い子に見せた優しさ
その才能は、中学時代に見いだされた。市立愛宕中のサッカー部顧問だった根本清史さん(61)は、ピッチ外の指導にも力を注いだ。宿題を忘れた生徒は練習に参加させず、課題を提出するためグラウンドのベンチを机代わりにすることもあった。試合が近づくと食事や就寝時間を記入するよう体調管理の習慣を求め、サッカーの技術に加えて自立を促した。
根本さんが忘れられない光景がある。県内で開かれた小学校低学年までを対象としたサッカーイベントに、県サッカー協会のスタッフを務めていた根本さんが、中山ら運営ボランティアの部員とともに臨んだ時だった。
「ちょっと、待って」。目の前を歩いてきた幼い女の子に、中山が声を掛けた。しゃがみ込み…
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