ソフトバンクの大関友久投手(24)が2日に左精巣がんの疑いで手術を受けました。西日本スポーツは一日も早い復帰を願い、活躍した試合の紙面を復刻します。
◆ロッテ1―3ソフトバンク(2022年3月31日、ZOZOマリンスタジアム)
最大のピンチも、大関はポーカーフェースで乗り切った。6回、安打に自らの失策が絡んで2死三塁とした場面。中村奨を真っすぐ2球で追い込んだ後、この日最速の150キロで左飛に打ち取った。「いい当たりはされたんですけど、いいボールは投げられたかな」。1点のリードを守り切った。
7回も続投し、1死一塁、岡の打席でボークによる進塁を許したところで降板。藤本監督に肩をたたかれ、ようやく表情が緩んだ。初先発で初勝利を挙げ「うれしいです。(ボールは)両親に渡そうと思う」と笑顔を見せた。
田中正、松本の故障もあって滑り込んだ開幕ローテ。「チームが連勝していたので、その流れに乗って投げられるように」。140キロ台後半の直球にスライダー、ツーシームなどを組み合わせ、無四球で5奪三振。失点は5回のエチェバリアのソロのみにとどめた。
茨城・土浦湖北高で甲子園出場はなく、進学した仙台大でも仙台六大学リーグで通算4勝止まり。チームのエース格ではなく、ドラフト前の調査書が届いたのはソフトバンクのみで、社会人からのスカウトも多くなかった。
ただ、研究熱心で何事にも試行錯誤を重ねる。「思いついて試したフォームは1万種類以上あると思う」。周囲は投げるたびに変わる大関のフォームに驚いた。鏡を見ればブルペンだけでなく、風呂場でも腕を振る。チームメートに付けられた異名は「気がつけばシャドー(ピッチング)をしている男」だ。「僕にとっては食事と一緒。人生で何種類のご飯を食べてきたかと同じ。魚だけでも何種類も食べてきたなとか。そういう感覚」。その習慣は入団後も変わらない。
185センチと体格に恵まれ、学生時代からブルペンで投げるボールは一級品。考え抜く性格がかみ合わずに試合で結果が出なかったが、プロでは「無限に試してきた中でようやく一つの芯が見つかった」。昨年5月に支配下選手登録され、1軍で12試合に登板した。
通算13試合目の登板でつかんだ初勝利。千賀、石川らに続く育成出身選手の歴史に名を刻み、ヒーローインタビューでは「もっと長いイニングを投げられるように、確実に勝てるように準備するので、また見に来てください」とファンに宣言した。
(伊藤瀬里加)
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