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Thursday, November 10, 2022

結城酒造 火災から半年 酒蔵復活へ“新酒の仕込み”|NHK 茨城県のニュース - nhk.or.jp

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茨城県結城市で江戸時代から続く酒造会社「結城酒造」で大規模な火災が発生したのは、ことし5月のことでした。
あれから半年。酒蔵の、復活に向けての挑戦を取材しました。

(取材:NHK水戸 島根英幸カメラマン)

結城酒造で火災が発生したのは、ことし5月11日でした。ボイラーから出た火は、瞬く間に、天井を伝って燃え広がりました。
けが人はいなかったものの、江戸時代に建てられた国の登録有形文化財の蔵2棟をはじめ、酒造りの設備のほとんどが焼けました。

結城酒造を切り盛りしてきたのは、浦里昌明さんと浦里美智子さん夫妻です。

美智子さんは15年前、結婚をきっかけに酒造りを学び始め、酒の味を決める責任者、「杜氏」を務めるようになりました。茨城県などが設立した「常陸杜氏(ひたちとうじ)」という認証制度の一期生にも選ばれ、美智子さんの酒が全国的に知られ始めたやさきの出来事でした。

(浦里美智子さん)
「やっと世の中もコロナが落ち着いて明るくなってきて、自分たちの酒もだんだん評価してもらえるようになってきた中で、こういうことになってしまって、絶望の中にいて、これからどうしようと思いました。」

夫で社長の昌明さんも、火災の直後は何も考えられなかったといいます。
      
しかし火災の翌日、2人は信じられない光景を目にします。これまで取り引きのあった地域の人たちが大勢集まり、焼け跡の片づけや、無事だった酒の運び出しを手伝ってくれたのです。

地域の酒造組合も「大切な仲間をこのまま無くしてしまうわけには絶対にいかない」と義援金を呼びかけるなど、一気に支援の輪が広がりました。

さらに、うれしい知らせがありました。
酒造りに欠かせない、水。代々受け継いだ井戸は、火災後も水質に変化はなく、再び酒造りに使えることが分かったのです。

(浦里昌明さん)
「みんな心配して下さって、温かいことばをかけてもらっていますので、皆さんの期待に応えられるように、また酒蔵として復活したい。またこの水で、酒を造りたい。」

火災からおよそ半年。新酒の仕込みが始まるこの時期、美智子さんの姿は北海道東川町の酒蔵にありました。
かねてから交流があった酒蔵の計らいで、この蔵の設備を使って結城酒造の新酒を仕込もうというのです。

味の要となる酵母と麹は、茨城から持ち込みました。ようやくたどり着いた、新酒の仕込みです。

(浦里美智子さん)
「いまの段階が、いちばんいい香りがします。結城酒造で嗅いでいた香りと同じで、胸が熱くなります。こんなに早く、結城のラベルで造らせてもらえるとは思っていなかった。感謝しています。」

美智子さんには、どうしても今回の新酒を届けたい人たちがいます。
「いつまでも待っています」とのメッセージカードをくれた地域の酒店など、復活を応援してくれる人たちです。

(浦里美智子さん)
「これから長い年数がかかると思うと焦りも感じますが、いつまでも待ってますと言ってもらえると、焦らなくてもいいのかな。結城の土地・水でお酒を醸したいというのが、いちばんの望みです。」

酒蔵復活への希望と感謝の気持ちを込めた酒。完成は、12月です。

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