友永翔大
新潟県五泉市の無形文化財に指定されている民俗芸能「帛(はく)の帯(び)」の保存会が発足から95年を迎え、課題に直面している。地元の小学校で出前授業をするなど地道に活動を続ける一方、メンバーの高齢化が進み、後継者不足に頭を悩ませる。
帛の帯は400年以上前から地域に伝わる踊り。五泉城主だった甘糟備後守景継(あまかすびんごのかみかげつぐ)が出陣前に士気を高めるために始めたとされ、240年ほど前に現在の形になったという。1927年に保存会が発足し、85年に市の無形文化財の指定を受けた。主に70代のメンバー6人で保存活動に取り組んでいる。
6日には、地域の伝統を学ぶ社会科の授業の一環で招かれ、市立五泉小をメンバー2人が訪れた。4年生の児童たちを前に、陣羽織とはかま姿の五十嵐貞夫会長(79)はその歴史や踊るのは男性だけであることなどを説明。「会員不足が一番の問題。一緒にやろうという人を待っています」と語りかけ、続けて踊りを実演して見せた。
その後、児童たちは矢継ぎ早に質問を浴びせた。どんな楽器を使うのか、踊りの意味は何か、なぜ伝承しようと思ったのか……。「もしかしたら将来保存会の人になりたいと思うかもしれない」と言う男児もいた。
最後に踊りを教わり、慣れない手の動きや方向転換に苦戦しながら体を動かした。鈴木笑奈(えな)さんは「簡単そうに見えたけど、踊ったら難しかった」。田中彩美さんも「ゆっくりだけど何度も方向を変えるのが難しかった。これからも伝統が続いてほしい」と話した。(友永翔大)
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