JAXA=宇宙航空研究開発機構が14年ぶりに実施した宇宙飛行士の選抜試験で、過去最多の4127人の中から、国際機関に勤める46歳の男性と医師の28歳の女性が選ばれました。
46歳での選抜は最年長となるほか、女性が選ばれたのは1999年の山崎直子さん以来、24年ぶりです。
宇宙飛行士の候補に選ばれたのは、▼世界銀行に勤めるアメリカ在住の諏訪理さん(46)と、▼日本赤十字社医療センターの医師で、東京都内に住む米田あゆさん(28)の2人です。
諏訪さんは東京都生まれ、茨城県育ちの46歳。
1999年に東京大学理学部を卒業後、アメリカのプリンストン大学で博士課程を修了。
現在はアメリカに本部がある世界銀行で気候変動や防災に関するプロジェクトに関わっています。
前回の選抜試験にも応募していて今回、2度目の挑戦で夢をつかみました。
これまでで最年長の46歳での選抜となりました。
米田さんは東京都生まれ、京都府育ちの28歳。
2019年に東京大学医学部を卒業後、日本赤十字社医療センターに所属。
現在は虎の門病院に派遣され、外科医として勤務しています。
宇宙飛行士の候補に女性が合格したのは、1999年の山崎直子さん以来、24年ぶりで、28歳での選抜は、若田光一さんや山崎さんと同じで最年少となりました。
諏訪さんと米田さんは、JAXAが14年ぶりに実施した宇宙飛行士の選抜試験に臨み、筆記試験や面接、体力試験のほかプレゼンテーション能力をみる実技試験などを突破し、過去最多の4127人の中から選ばれました。
2人は今後、現在の職場を退職してことし4月からJAXAに入り、NASA=アメリカ航空宇宙局などで宇宙飛行士に必要な訓練を受けることになっています。
宇宙飛行士に正式に認定されるのは2年後、2025年3月ごろの見通しで、国際的な月探査計画に参加して月を周回する新たな宇宙ステーションへの搭乗や、月面に降り立つ可能性もあるということです。
都内では、28日、新たな宇宙飛行士の候補に選ばれた諏訪理さんと米田あゆさんの会見が行われました。
この中で諏訪さんは、「合格の連絡をもらったのは24時間前ですが、とても驚き、大きな責任を負うことになったと感じました。昨夜は気持ちが高ぶり、眠れませんでしたが、仕事をしっかりしていかなければならないと思っています」と話しました。
また、米田さんは「合格の連絡を受けたときは最初は喜び、そして同時に驚きました。選んでもらったことへの責任感と使命に身が引き締まる思いです。支えてくださった方々への感謝の気持ちがわき上がってきています」と話しました。
JAXA=宇宙航空研究開発機構が実施した宇宙飛行士の選抜試験に、米田あゆさんが合格したことを受け、兵庫県西宮市にある母校では担任をしていた教諭らが「彼女らしく『チャレンジ』していて活躍を陰ながら応援したい」などと喜びを語りました。
JAXAが14年ぶりに実施した宇宙飛行士の選抜試験では、▼日本赤十字社医療センターの医師の米田あゆさん(28)と、▼世界銀行に勤める諏訪理さんが合格して(46)候補に選ばれました。
このうち、米田さんが中学と高校の6年間を通った西宮市の神戸女学院では、28日、当時の担任教諭らが会見を開きました。
学校によりますと、米田さんは中学時代、テニス部に所属して全国大会にも出場するなどスポーツ好きで活発な生徒だった一方、いつも笑顔で礼儀正しく和を重んじる性格の生徒だったということです。
高校時代にはスイスのチューリッヒに1年間の留学をしたり、児童養護施設を訪問するボランティア活動などにも熱心に参加したりして、高校3年の4月には大学の医学部への受験を決め勉強にも励んでいたということです。
高校3年生のときの担任だった稲垣祐子 教諭は、「医師の道を歩んでいたので宇宙と聞いて驚きましたが、彼女らしくチャレンジしていると思いました。彼女は高校のときから『チャレンジ』という言葉が好きで、それが実り心の底からうれしいです。活躍を陰ながら応援したいです」と話していました。
また、校長にあたる森谷典史 部長は、「きょうの卒業式のリハーサルで生徒たちに卒業生だと知らせるとみんな、とても喜んでいました。いつか後輩たちに経験を話しに来てくれることを待っています」と話していました。
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