春の新聞週間 | | 有明抄 - 佐賀新聞

tunggusama.blogspot.com

　職場の机上に絵はがきを置いている。「有明抄を毎朝一番に読んでおります。これからも楽しみに新聞を待っています」。文面はそれだけである◆はがきを書き、切手を貼って投かん。知り合いでもないのに、読んでいることを伝えるために手間とお金を使って送ってくれる読者がいる。雑文書きの身には何よりの喜びであり、励みであり、目につく所に置いている◆「背が曲がりすぎた８５歳のばあちゃん」と名乗る人からは映画『男はつらいよ』の絵はがきをいただいた。寅さんの話を取り上げた小欄を読み、「亡き連れ合いが映画が大好きだったので、全シリーズを見ました。はがきがたくさんあったので、記念にお送りいたします」と丁寧につづられていた◆速さや効率が優先される時代になり、「新聞は旧聞」と揶揄（やゆ）する声もある。ネットニュースと比べれば劣勢なのは否めないが、そそくさと流れ、消耗品のように消えていく情報と違い、新聞は手元でゆっくりと読み、考える時間を持てる。そこから、はがきをくれた読者のように人との結びつきも生まれる◆４月６日は「新聞をヨム日」で、春の新聞週間（１２日まで）が始まる。読み応えのある記事を届け、思いを共有するふるさとの新聞。これからも「楽しみに待っています」と言ってもらえるように、気を引き締める日である。（知）

下記のボタンを押すと、AIが読み上げる有明抄を聞くことができます。

Adblock test (Why?)

からの記事と詳細 ( 春の新聞週間 | | 有明抄 - 佐賀新聞 )
https://ift.tt/7YJ6p2E
待っています