能登半島地震の発生から2か月あまり。石川県・能登町で父から受け継いだ「ブルーベリー農園」が被災した女性。農園の復興に向けて歩み続けています。信州にゆかりのある洋菓子店も支援しています。
2月初旬。石川県・能登町の加工場にブルーベリーの出荷作業を行う女性がいました。「ひらみゆき農園」を営む平美由記さん。「ありがとうございます」と直筆で書いたメッセージも一緒に包みます。
ひらみゆき農園 平美由記 代表
「金沢の方に届けます」
4か所の畑でおよそ1200本のブルーベリーの木を育てている平さん。生のブルーベリーとブルーベリーソースなどの加工品を販売しています。
しかし…。能登半島地震で加工場は屋根瓦が落ち雨漏りするなど使えない状況に…。畑の一部は土砂崩れによって流されひび割れてしまいました…。スタッフが撮影した写真や動画で被害を確認していましたが、この日、平さんは地震後、初めて畑に向かいました。
ひらみゆき農園 平美由記 代表
「ひどいなこんなに下がるんや」
道路が崩れていたため、途中から車を降りて歩いて進みます。およそ15分後、畑が見えてきました。
しかし、道路には大きな亀裂…。雪が積もり、下がどうなっているか分からないため、近づくことを断念しました。
ひらみゆき農園 平美由記 代表
「こっち側に見えるのが新しい畑。今年から収穫ができると思っている畑なんですけど、奥で木の陰で見えないところが3分の1くらい崩落しているんじゃないなっていう」
この畑は、「35年ほど前」に平さんの祖父母と父がブルーベリーの栽培を始めた場所…。新しく植えた苗は残りましたが、父から受け継いだ木は流されてしまいました…。
ひらみゆき農園 平美由記 代表
「この場所自体が子供のころからの通い慣れた場所っていうのがあったり、家族にとっても大事な場所だっただろうなって思うので、なんか悔しいっていうか無力っていうか…」
いまは、支援を受けながら復興に向けて動き出しています。
北佐久郡・軽井沢町にあるドーナツ専門店。
本店は石川県・金沢市にあり、社長で石川県・珠洲市出身の志賀嘉子さんは地震後、 被災地から商品を送る余裕のなかった平さんの支援に動きました。
志賀嘉子さん
「地震のあと、能登にいらっしゃる農家さんって商品を外に発送できないということで、そこをうまくつないであげたいなという思いから、一旦軽井沢に商品を全て持ってきて、ひらみゆき農園さんのオンラインストアを弊社で代行で運営させていただくことになりました」
農園の商品を店で預かり、注文の品を軽井沢から発送。旧軽井沢店には能登を応援する販売コーナーを設けて、平さんのブルーベリーを使ったドーナツなどを販売しています。
ひらみゆき農園 平美由記 代表
「地震から自分の生活というか、 生きるだけで精いっぱいで、家族の生活を守ることしか考えられなかったんですけど、本当にいち早く、志賀さんからご連絡いただいて、それでやっとブルーベリーのことを思い出したっていうか、導いてもらったなというような形で本当に感謝しています」
3月1日には金沢市で知り合いの農園などの協力を得てブルーベリーソースの製造を再開。能登町のブルーベリー産業を次の世代につないでいきたいという思いからクラウドファンディングも行いました。
「頑張ってください!」
「おいしいブルーベリーを食べられるのを楽しみにしています」
多くの応援コメントと共に、「330万円以上」が集まりました。
ひらみゆき農園 平美由記 代表
「思った以上に、最初から皆さんの反応がすごく大きくて、メッセージを一人一人頂いていて、それを見ると、待っていてくれる人とか、…がんばろうと思いました。皆さんの応援の気持ちがすごくありがたいです」
地割れなどがあったものの、被害が少なかった畑では今年もブルーベリーが収穫できる見込みと言います。
ひらみゆき農園 平美由記 代表
「まずは、待っていてくれる人に 届けたいっていうのがあるので、 小さくても、できる畑から順番に待っていてくれる人にブルーべりを能登から届けていけたらなと思っています」
能登から再びブルーベリーを届けたい。平さんは前を向いて歩み続けます。
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