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Friday, March 25, 2022

ヤマザクラに重ねる妻への思い|NHK 鹿児島県のニュース - nhk.or.jp

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鹿児島市五ヶ別府町にヤマザクラに囲まれた1軒の民家があります。そこに暮らす男性は半年前、長年連れ添った最愛の妻を亡くしました。いつも2人で迎えていた桜の季節。1人で過ごす初めての春を追いました。

(鹿児島放送局 映像取材 桑原健史)

【妻が苗から育てたヤマザクラ】

鹿児島市の山あいに咲き誇るヤマザクラ。地域の人が春の訪れを感じる憩いの場所です。

ここで生まれ育った蕨野史人さん(74)は、ヤマザクラを大切にしてきました。庭先にある7本のヤマザクラは、妻の律子さんが小さな苗から育てました。

蕨野さんは「妻が植えてから24、5年たっているかな」と振り返ります。

【1人で迎えることしの春】

夫婦2人、ヤマザクラに囲まれたこの場所で毎年、お花見を楽しみにしていました。

しかし、去年の9月30日。

46年間連れ添った律子さんは、肺がんで亡くなりました。72歳でした。

「すぐによくなって帰ってくるつもりで入院したんですけど、まさかこんなことになるとは思っていなかった」と話す蕨野さん。律子さんの遺影を見ながら「笑っているのよ。私がいないと苦労するでしょって」と話します。

例年なら3月10日ころから咲き始める庭先のヤマザクラ。ことしは開花が遅れていました。

蕨野さんは「毎年、若干の早い遅いはあります。2週間も3週間も違うことはないですから。必ず咲きます」と言いながら、1人桜が咲くのを待っていました。

そして、例年より4日ほど遅れて開花。3月20日に満開を迎えました。

【妻が残したヤマザクラと共に】

「桃源郷みたいなところだと思っています」
「待ちに待っていたものが来たという感じ」
「なんかこれからいいことがあるんじゃないかなと思います」

春を感じに地域の人たちも足を運びます。

(蕨野史人さん)
「みなさんがここに来て楽しんでもらえる。律子もそれを楽しみにしていた。大事にしたいですよ。律子が一生懸命植えたから、永久に生き続けて欲しいと思います」

蕨野さんの自宅の庭では、ヤマザクラ以外にも律子さんが植えたフジやアジサイなど季節ごとの花が咲き誇ります。蕨野さんは、これからも庭の手入れを欠かさず、律子さんが植えた花たちを大切にしていきたいと考えています。

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