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Sunday, March 27, 2022

大相撲春場所 決定戦制し若隆景が初優勝|NHK 福島県のニュース - nhk.or.jp

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大相撲春場所は千秋楽の27日、関脇の若隆景が12勝3敗で並んだ平幕の高安との優勝決定戦に勝ち、初めての優勝を果たしました。
新関脇の優勝は昭和11年の双葉山以来、86年ぶりです。

春場所の優勝争いは、26日14日目を終えて2敗で若隆景と平幕の高安が並ぶ展開でした。

27日の千秋楽で先に取組があった高安が関脇・阿炎に敗れ、若隆景も結びの一番で大関・正代に敗れました。

この結果、2人は12勝3敗で並び優勝決定戦が行われました。

優勝決定戦では若隆景が上手出し投げで高安を破って初めての優勝を果たしました。

新関脇の優勝は昭和11年の双葉山以来、86年ぶりです。

また、福島県出身の力士としては元関脇・栃東以来、50年ぶりです。

若隆景は3場所連続で勝ち越して、自己最高位の関脇で臨んだ今場所、持ち味の低い姿勢からの鋭い攻めで白星を重ねていきました。

終盤戦の11日目には全勝だった高安を退け、26日14日目には大関・貴景勝にも勝って、2敗で千秋楽を迎えていました。

【若隆景とは】

初優勝を果たした若隆景は福島県福島市出身の27歳。

身長1メートル81センチ、体重130キロと大相撲では大きな体ではありませんが、低い姿勢からの厳しいおっつけを持ち味にしています。

若隆景は3兄弟の力士で、1つ上の年齢の兄、幕内の若元春と3つ上のもう1人の兄、幕下・若隆元とともに荒汐部屋に所属しています。

また、祖父は昭和20年代から30年代に活躍した元小結・若葉山で、父も元力士という相撲一家です。

若隆景は東洋大学の相撲部出身で平成29年の春場所で三段目100枚目格付け出しで初土俵を踏み、平成30年夏場所で十両に昇進、そのよくとし、令和元年の九州場所で幕内入りを果たしました。

去年7月の名古屋場所は新三役の小結として臨みましたが、5勝10敗と負け越しました。

その後、3場所連続で勝ち越して今場所は自己最高位となる関脇に昇進して臨んだ場所でした。

【優勝インタビューで】

初めての優勝を果たした関脇・若隆景は土俵下の優勝インタビューで、「うれしい。実感はまだちょっとわかない」と優勝直後の心境を話しました。

千秋楽の本割では2敗で並んでいた平幕・高安が先に敗れましたが「心境は変わらなかった。自分の相撲を取るだけだった」と振り返った上で、土俵際の勝負となった高安との優勝決定戦について「最後になんとか残せたというのは自分の感覚としてあった。一生懸命相撲を取るだけだった」と述べました。

また優勝の要因について「下からの攻めが今場所は特によかった」と話していました。

そして、地元の福島に向けて「震災から11年たってまだまだ復興が進んでいないところもある。自分が土俵で出来ることを精いっぱいやっていい姿を届けたい」と思いを述べました。

【日本相撲協会の八角理事長は】

日本相撲協会の八角理事長は、新関脇・若隆景と平幕・高安の優勝決定戦が土俵際のきわどい勝負だったことを踏まえ「高安が勝ったかと思ったが、最後は勝ちたい気持ちが強かった若隆景が勝った。ただ高安もいい相撲を取った、2人とも立派だ」と両者を称えました。

そのうえで初優勝を果たした若隆景について「やってきたことが実ってきた。精神的にも粘り強く攻められる。あとは馬力が課題だが、相撲の形は違うが体つきが近い千代の富士関のようになってほしい」とさらなる期待を寄せました。

一方、高安については「けがなどがあっても合同稽古にも一生懸命出るなど腐らずに稽古してきた。そういう結果が取組に出た」と評価していました。

このほか千秋楽まで優勝争いに加わった平幕の琴ノ若についても「内容は良かった。力をつけているのは間違いなく、来場所が楽しみだ」と成長に期待を寄せました。

2年ぶりの大阪開催となった春場所については「大阪の人たちは待っていてくれた。来年は観客の定員を通常に戻したい。取組内容のいいものが多く力士はよく頑張ってくれた」と話していました。

【若隆景に技能賞】

大相撲春場所の三賞選考委員会が開かれ、初優勝を果たした関脇・若隆景が技能賞に、千秋楽まで優勝を争った平幕の高安と琴ノ若が敢闘賞に選ばれました。

三賞選考委員会は千秋楽の27日、春場所が行われている大阪府立体育会館で開かれ、技能賞に初優勝を果たした関脇・若隆景が選ばれました。

12勝3敗で優勝した若隆景は腰を落とし、下からおっつける相撲などが評価されました。

若隆景の技能賞受賞は去年の夏場所以来3回目です。

敢闘賞は千秋楽まで優勝を争った高安と琴ノ若の2人が選ばれました。

高安は優勝決定戦で若隆景に敗れましたが、馬力のある相撲で12勝をあげました。

また琴ノ若は正代と御嶽海の大関2人を破る活躍を見せるなど11勝4敗の成績でした。

高安は5回目、琴ノ若は3回目の敢闘賞受賞です。

【厳しい攻めと、ひたむきに相撲に集中する姿勢を貫き】

若隆景は低い姿勢からの厳しい攻めと、ひたむきに相撲に集中する姿勢を貫いて初めての優勝を手にしました。

若隆景は1つの目標としてきた祖父で元小結・若葉山を超える自己最高位の関脇で今場所を迎えました。

2月28日の番付発表の記者会見で「下から上に押し上げる意識を大切にしている」と話していた若隆景は、そのことばどおり、低い姿勢からの厳しいおっつけで前に出る攻めで白星を重ねていきました。

8勝1敗で迎えた10日目は強烈なおっつけで、同じ新関脇の阿炎に得意の突き押し相撲をさせず、圧倒しました。

この日の審判長を務めた元大関・武双山の藤島親方は「強い。びくともしない。間違いなく大関候補だ」と高く評価しました。

11日目にはここまで全勝だった高安との一番が組まれました。

若隆景は立ち合い、低く当たってからもろ差しとなり、高安を寄り切りました。

大事な一番でも低く攻める自分の形を貫き、一気に存在感が高まりました。

13日目に大関・御嶽海に敗れ、2敗に後退しましたが、翌14日目の大関・貴景勝戦は強烈な当たりでいったん土俵際まで押し込まれたものの、今場所貫いてきた低い攻めで反撃して寄り切りました。

貫いてきたのは相撲の形だけではありません。

師匠の荒汐親方は敗れたあともいつもと変わらず稽古に励む若隆景の姿を見ていました。

「ふだんからやっていることは変わらない。今までの努力が実った結果だ」と、ひたむきに稽古に打ち込んできた若隆景を評価しました。

若隆景は春場所中、「自分の相撲に集中する」ということばを何度も口にしました。

多くは語らずとも、その実直な姿勢が表れていました。

福島出身の若隆景にとって、春場所が開催される3月は東日本大震災が発生した月とも重なります。

「福島に少しでも活躍を届けられたらと思っている」と話していた若隆景、その思いを初優勝という最高の形で実現しました。

【地元では】

関脇・若隆景のふるさと福島県は、災害が相次ぐ中での地元出身力士の初優勝に、沸いています。

2月16日の地震で震度6強の激しい揺れを観測した南相馬市の温泉施設では、地元の人たちがテレビの前で若隆景に声援を送り、優勝決定戦のすえ初優勝が決まると、大きな歓声と拍手を送っていました。

南相馬市原町区にある温泉施設「はらまちユッサ」は、3月16日の地震の影響で温泉が濁ったため2日間休業しましたが、19日から営業を再開していて、被災して自宅の風呂に入れない地元の人たちなどが連日のように通っています。

大相撲春場所千秋楽の27日は、休憩スペースのテレビの前で30人ほどが優勝決定戦の行方を見守り、取組が始まると「頑張れ」とか「押せ押せ」などと声援を送りながら若隆景を応援しました。

そして、上手出し投げで若隆景が勝ち、優勝が決まると、大きな歓声と拍手が沸き起こり、中には立ち上がってバンザイする人もいました。

3月の地震で自宅の屋根瓦が落ち断水が続くなどの被害を受けた南相馬市鹿島区の71歳の男性は「地震の被害を受け大変な中の明るいニュースで、うれしい。涙が出ます。これからも頑張ってほしいです。応援しています」と話していました。

また、地震被害からの復旧作業に携わっている南相馬市原町区の50代の土木作業員の男性は「3歳の息子と一緒に応援しました。地震で被害にあった人たちに、明るいニュースを届けてもらいました。息子たちが柔道を始めたので、若隆景を見習って強くなってほしいです」と話していました。

【震度6強の揺れを観測した国見町の道の駅では】

3月16日に起きた地震で震度6強の揺れを観測した福島県国見町の道の駅では、若隆景の初優勝が決まると大型モニターで取組を見ていた人たちから大きな歓声が上がりました。

「道の駅国見あつかしの郷」は3月16日の地震で壁に亀裂が入ったり商品が棚から落下したりするなど大きな被害を受けました。

27日は、初優所がかかった取組を見ようと大型モニターの前におよそ20人の人たちが集まりました。

そして、若隆景の初優勝が決まると、歓声が上がり、拍手したりハイタッチしたりする姿が見られました。

福島市の82歳の男性は「優勝してほしいという気持ちでずっと見守っていたので、本当にうれしいです。福島に元気を与えてくれました。とにかくおめでとうと伝えたいです」と話していました。

「道の駅国見あつかしの郷」の鈴木亮一総支配人は「大きな地震があった直後だけに勇気をもらいましたし、誇りに思います。心折れている場合じゃなく私たちも立ち上がらないといけないと思いました」と話していました。

【福島駅西口のパブリック・ビューイング会場では】

若隆景のふるさと福島市では、JR福島駅西口のパブリック・ビューイング会場に多くの人たちが詰めかけ、優勝決定戦の行方を見守りました。

そして、初優勝が決まるとすぐに新聞の号外が配られ、次々に受け取っていました。

号外を受け取った地元の70歳の男性は「ここ数場所は以前よりも活躍が目立っていました。福島では、先日の大きな地震など厳しいことが続いていますが、今回の初優勝で勇気をもらえました」と話していました。

会場では、若隆景の母校・学法福島高校の相撲部の関係者も声援を送っていました。

高校時代の若隆景を指導した相撲部顧問の二瓶顕人教諭は「若隆景は、高校時代は体が小さく線が細かったが、当時から負けん気が強くて、目標に向かって人一倍努力していました。おめでとうと声をかけたいです」と涙ながらに話していました。

相撲部員の1年生の男子生徒は「土俵際の対応など、すごいかっこよかったです。憧れの先輩である若隆景関を見習って、自分も頑張りたいです」と話していました。

また、小中学校時代に若隆景を指導した福島県相撲連盟副会長の矢吹庄治さんは「若隆景は、昔から勝負への強いこだわりがあったが、大相撲で優勝するとは思わなかった。ここまではすごい努力があっただろうし、お疲れさまと声をかけたいが、大関や横綱を目指してもっと頑張って欲しい」と話していました。

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