先を読む力を付けるために、大人は若い人たちと積極的に会ったほうがいい。その理由とは――(写真:essie/PIXTA)
投資やビジネスにおいて、「先を読む力」は重要なスキルの1つです。先を読むことができれば、未来に先回りして手が打てるため、かなりの成功が約束され、しなくてもよい失敗を避けることもできるはずです。では、どうすれば先を読むことができるのでしょうか。
私は子どもの頃、「10年後の新聞がほしい」と思っていました。10年後の新聞が1日分でもあれば、未来にどんな日常が待っているのかがわかります。10年後に起きていることのごく一部でも正確に知ることができれば、超お金持ちになれるでしょう。
ではいったい、どうすれば未来を予測できるのでしょうか? もちろん、私たちは10年後の新聞を手に入れることはできず、未来を見通せる魔法の水晶玉を持っているわけでもありません。しかし私は、簡単ではないとはいえ、先の先の未来を予測することはできると思っています。
ここでいう「先の先」とは、「10年後、20年後の未来」です。「投資家の先読み法」と聞くと、目先の株価の予測の仕方や、特殊な情報収集法などをイメージする人が多いかもしれません。しかし、そもそも株価というのは、短期的には企業の人気や市場全体の動向などに左右されやすいものです。
実績とかけ離れて株価が動くこともめずらしくなく、目先の株価を読み切って勝とうとするのはかなり難しいのが現実です。
「おいしい早耳情報」は存在しない
また、「プロの投資家なら先読みのための早耳情報を知ることができるのではないか」というのも誤ったイメージで、情報開示に高い透明性が求められる昨今、「おいしい早耳情報」は存在しません。大切なのは、そういった「見えない未来」を見ようとするのではなく、目の前で少しずつ起きている小さな変化を捉えることです。
そして、「この小さな変化の結果、10年後、20年後の未来はどうなるのか?」を考えることです。
簡単なことではないとはいえ、未来をある程度予測することは可能です。私がいつもイメージしているのは、トランプの「神経衰弱」です。未来を「めくられていないトランプのカードがたくさん並んでいる状態」だとすると、私たちが日々、さまざまな情報を聞いたり見たりすることは、カードの1枚がめくられて「それが何のカードか」を知ることと似ています。
トランプがすべてめくられていなくても、私たちは何枚かのめくられたカードを確認することによって、「全体の中でまだめくられていない札は何なのか」を予測することができます。
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