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Monday, August 1, 2022

見たことのない命が待っている ずかんミュージアム銀座:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

tunggusama.blogspot.com

 ダイオウイカマッコウクジラリュウグウノツカイ――。生きた姿を見ることが難しい深海の生き物たちが、迫力満点で迫ってくる。東京・銀座のデジタル体験施設「ZUKAN MUSEUM GINZA」に、開業1周年を記念し、CGを駆使したディープシー(深海)ゾーンが誕生した。

 ダイオウイカの動きは、国立科学博物館名誉研究員の窪寺恒己博士が監修した。世界で初めて、深海で泳ぐダイオウイカの動画撮影に成功した人物だ。動きを再現するにあたってのこだわりなどを聞いた。

     ◇

 ダイオウイカの深海での様子を再現するにあたり、私がこの目で見た姿や、調査・研究で明らかにされた生態を忠実に再現するように監修しました。

 注目してほしい点のひとつが、ダイオウイカの2本の長い腕(触腕〈しょくわん〉)です。触腕はエサをつかまえたりするためにイカの仲間が持っているものです。ダイオウイカの触腕はその側縁についている小吸盤とコブによって2本をまるでジッパーのようにくっつけて1本にして使うのが特徴的です。他のイカに比べても非常に長いので、その方が扱いやすいのかもしれません。泳ぐときにも触腕は1本の軸のようになっています。映像でもそこを丁寧に再現しました。

 ダイオウイカはおよそ3年であのような巨体に成長していると考えられるのですが、長い触腕はその成長の早さにも大きな役目を果たしています。触腕で獲物を捕らえて引き寄せると、残りの8本の腕で抱え、中央にある硬いクチバシでかみちぎりながら食べます。これは、エサとなる生物をのみ込む食べ方とは大きく異なり、自分の口よりも大きな生き物をはじめ、様々な生物から効率よく栄養をとることを可能にします。

 一方で、今回の深海ゾーンにも登場しているマッコウクジラは、ダイオウイカを食べていると考えられています。大きな吸盤のあとがマッコウクジラの頭部に残されていたり、胃の中身からダイオウイカをはじめ様々な深海性のイカが見つかっています。体がやわらかく成長の早いイカの仲間は、他の生物にとって貴重な栄養源であり、海の生態系において非常に重要な存在でもあるのです。

 真っ暗な深海は人類にとって宇宙より遠いとも言える場所です。また、海に囲まれた日本にとって、海を知ることは私たちの暮らしを知ることでもあります。こうして映像で深海生物と出会うことが、深海のことをもっと知りたいという好奇心の入り口になってくれたらと思います。

 ■図鑑をめくるような冒険、「記録の石」を手に

 「ZUKAN MUSEUM GINZA」では、累計発行部数1300万部を超える「小学館の図鑑NEO」の監修のもと、世界中の生き物たちがデジタル技術で再現されている。

 施設の中では、時間や天候がめまぐるしく変わり、森、草原、水辺、深海といった環境の中で生き物たちが様々な姿を見せる。

 来館者は「記録の石」と呼ばれる道具を手に歩く。生き物に近づき、様子を観察していると、「石」がその生き物の特徴的な行動を「記録」するように指し示す。制限時間の中でどれだけの生き物を記録できるかゲーム感覚で楽しみながら、図鑑をめくるように生き物のことを学べる仕掛けになっている。

 ■家でもわくわく

 小学館の図鑑NEO編集部が制作した「公式生き物図鑑」を併設するショップで販売。ミュージアムで出会うことのできる生き物の特徴や生態をより詳しく知ることができる。42ページ、850円。

 ■東京・東急プラザ銀座6F

 ◇東京・銀座の東急プラザ銀座6F

 ◇営業時間 平日午前11時~午後7時、土日祝は午前10時~午後7時

 ◇入館料 平日一般2千円、中高生1200円、小学生千円、未就学児800円/土日祝および施設指定の繁忙日は一般2500円(午後5時以降2千円)、中高生1700円、小学生1200円、未就学児900円、3歳未満無料

 ◇公式サイト zukan-museum.com

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