早いもので今年も あとひと月余り、まもなく師走を迎えます。街のイルミネーションの輝きが増し、テレビや商業施設などでサンタクロースを見かける機会も増えてきました。
大阪府の四條畷市では、絵本作家の谷口智則さん(1978-)が中心となって、街に100体のサンタクロースを設置しようというプロジェクトが進んでいます。2023年11月20日現在、四條畷市内と周辺エリアに設置されているサンタクロースは82体になりました。そこで昨年12月初旬に紹介した記事を一部修正のうえ再掲します。以下の記事は取材時当時のもので、最新情報は記事の最後にあるサンタマップをご参照ください。
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クリスマスムードが高まるなか、大阪府の四條畷市で、街に100人のサンタクロースを設置しようというプロジェクトが進んでいると聞き、その中心となっている絵本作家の谷口智則さんを訪れました。
四条畷駅は大阪中心部から電車で30分ぐらいの距離にあります。奈良県と隣接し、市域の約3分の2を北生駒山地が占めるベッドタウンですが、古墳などの遺跡も多く古い街並みも残っています。
四条畷駅を降りると早速、何人かのサンタクロースが迎えてくれました。高いコック帽をかぶり、右手に泡立て器を持った「シェフサンタ」がレストランの前でお客さんを待っていました。(※現在、店舗改装中のため見ることができません)
谷口さんが経営する「gallery&cafe Zoologique」の前には、絵筆を持ったご自身を表す「絵かきサンタ」がいました。
谷口さんは四條畷市で生まれ育った絵本作家。2012年に、同市の観光大使(21年からはPR大使)に就任しました。13年に出した『100にんのサンタクロース』(文溪堂)が大ヒットして、今ではクリスマス絵本の定番に。フランス語、イタリア語、中国語、韓国語にも翻訳され、その人気は国境も超えています。
2015年から商業施設のイベントに呼ばれるようになり、子供たちの目の前で、繊維強化プラスティック(FRP)製の像に、様々なサンタを描いてきました。しかし、イベントが終わると廃棄処分になると聞き、大きな1点を自宅に引き取り、小さい8点を知り合いの店の前や市役所に頼んで置いてもらいました。
これがきっかけで、絵本の題名に合わせて100人を目指すプロジェクトがスタートしました。2022年11月末現在で70人まで揃いました。谷口さんは「2025年の大阪万博までには100人を達成して、世界の人々にも見てもらえれば」と話します。
今では、新規開店に合わせて、ライブペイントをした後に設置したりもしています。「福ダルマサンタ」は歯科医のオープニング時に彩色の実演を見せた後に設置されました。右手には歯ブラシ、帽子には同クリニックのキャラクターのダルマが描かれています。
こちらのケーキ屋さんは、イチゴのケーキが美味しそうですね。
こちらの店は、ウーパールーパー、カンガルー、ワニなど珍しい食材を使った料理が自慢の居酒屋です。
街に置かれたサンタは同じ金型から取られ、身長は1㍍20。企業が依頼する場合は像の製作費として実費が必要ですが、デザインや彩色は谷口さんがボランティアで行っています。こちらの「まほうつかいサンタ」のように、靴や高い鼻、マントを取り付けた特注品も、いくつかあります。
四條畷市役所にも3体ありました。「なわてサンタ」は、市内から出土した馬形埴輪をモチーフに谷口さんがデザインした「なわ丸」という市のキャラクターに乗っています。
こちらは、同じく四條畷市PR大使のアインシュタイン・稲田直樹さん(吉本興業所属)のキャラクター「いなだま」とのコラボです。
四條畷市の郵便番号「575」から着想を得た「俳句サンタ」もありました。
こちらは四條畷市立環境センター修景施設「さとやま」に、最近設置された「飯盛サンタ」です。昨年10月に国史跡に指定された飯盛城跡や飯盛山にちなんだサンタを、子どもたちと実際に山に登ってデザインする2日間のイベントから生まれました。子どもたちのアイデアも取り入れられています。
背中には、龍の尾のミイラが安置されているという「龍尾寺」の伝説を描いています。左足かかとの十字は、同寺の鐘の内側に十字架が刻まれ、隠れキリシタンが祈っていたという歴史に基づきます。子どもたちが自分たちが住む街を理解するのにも役立っています。
谷口さんが絵本作家になった理由は、「絵本で世界の子どもたちに幸せを届けたいという思いが、サンタクロースの活動に重なったからです」と話します。今では絵本を飛び出して、四條畷の街に一年中、幸せを届け続けています。(読売新聞美術展ナビ編集班・若水浩)
◆サンタの設置場所などはこちらを参照してください
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