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今回はNatsumeAtariとSTUDIO WILDROSEが、2024年3月7日にSteam にてWindows PC向けに 早期アクセスリリースしたローグライクアクション『PENNY BLOOD: HELLBOUND 』をご紹介します。
『PENNY BLOOD: HELLBOUND』とは?
本作は、異世界の監獄から脱出すべく、仲間と共に繰り返し戦い抜くローグライクADV。今後また別に発売されるRPGタイトル『PENNY BLOOD 』の前日譚という位置づけで、我々プレイヤーはヘルハウンダーズと呼ばれる、“敵側のキャラクター達 ”を操作していきます。
彼らの個性豊かな性格に、作品世界のダークな雰囲気、さらには様々な遊びの要素も相まって、本作は全体的に濃密かつ面白い味付けのプレイフィールとなっています。
ローグライクとしてガンガン遊べる作りでありながら、キャラゲーとしても良い感じにこちらを惹きつける魅力を備えた本作……早期アクセス故にやや荒削りな部分はあれど、個人的には既に高い水準でまとまった完成度だと感じています。早速紹介してまいりましょう。
操作・設定・言語
本作はコントローラーでのプレイを強く推奨しており、Steamストアページの記載だけでなく、ゲーム起動時にもSteam側が「コントローラー!!!」と強火の表示をするほど。 しかし実際のところ、ゲーム側の設定を見る限り、キーボード&マウスにも対応しており、筆者がプレイした範囲では操作も特に問題なく行えました。とはいえ今回の執筆では、Xbox Oneコントローラーを無線接続で使用しています。
その他設定については、グラフィック、サウンドともにオーソドックスな項目が並び、言語設定についても当然といえば当然ですが、日本語にバッチリ対応済みです。
本編開始
さあ始まりました『PENNY BLOOD: HELLBOUND』。タイトル画面からゲーム開始、4つのセーブスロットからひとつを選んで先へ進みます。冒頭ムービーと演出が始まりますが、2分ちょっとですぐにキャラクター操作パートに切り替わるため、「早くプレイさせてくれ!」と焦れることもなくスムーズな進行。簡単なチュートリアルを経て、これから戦いを共にする仲間との顔合わせイベントに繋がります。
ここらへんのゲームの立ち上がりは巧みなデザインだと感じます。 記憶を失い右も左もわからぬまま異界へ迷い込んだ主人公クララを通して、我々プレイヤーを作品世界の雰囲気に上手く馴染ませる役割を果たしていますね。
登場キャラクター達は本当に個性豊かで、彼らの背景が記載されたドキュメントを読むだけでも結構楽しかったり。それぞれが別方向にとんがったキャラクターではあるのですが、前向きな明るさを備えた主人公クララとの掛け合いや、個別クエストといった様々なイベントを通じて、プレイするうちに親しみを覚えてくるのがうまいデザインですね。
そんな中で、そのクララについては、時代が1920年の割にはややエキセントリックな格好だと思いますが、お目々ぐるぐるでキャンディとバットを構えた快活褐色銀髪美少女という属性過積載でありながら全てが筆者特攻でクリティカル連発なので不問に付します(?) 。
いやほんとなんてどストライクなキャラクターをデザインしてくれたんですか……一生のお願いですからテキストウィンドウを非表示にする機能を今後のアップデートで実装し立ち絵を拝ませてくださいグッズでクララの立体物が出たら買います買って立たせてクララが立った!!!!!(錯乱) 。
……話と正気をもとに戻しまして、冒頭イベントを経てヘルハウンダーズのアジトにやってきました。ここは出撃前の準備を行う場所で、キャラクター達の強化や装備購入、バフ効果付与以外にも、メンバー同士の交流イベントや各種読み物の確認など様々なことが行えます。
序盤ではまだまだ制限も多く寂しい風景かもしれませんが、出撃を重ねる毎に徐々に施設がアンロックされていき、仲間も少しずつ増えていくので賑やかになっていきます。施設やショップの利用に際しては、戦闘から持ち帰ったマリスタルや素材を通貨として使用します。
出撃中、戦闘報酬などで取得したマリスタルについては、ゲームオーバーになってもアジトへ持ち帰ることができます。
出撃中に使用可能な通貨もゲット
そのため序盤はステージクリアを目指すよりは、何度も出撃を繰り返して、手持ちの資金や素材を貯めていき、懐が暖まり次第一気に強化していった方が良い気がします。あくまで筆者のプレイスタイルによるものですが……!
ここからは改めて出撃から戦闘周りのシステムについて触れていきます。アジト中央上部から出撃すると、キャラクター選択画面に切り替わります。表示された中から2人選んでいざ突撃。戦闘ではこの2人を自由なタイミングで切り替えながら、敵のタイプへの得意不得意に対応していくとグッドです。
あ、難易度についてですが、ストーリーモードと挑戦モードの2つが用意されており、前者のほうが簡単という扱いではありますが……個人的にはどちらも歯ごたえのある難度だと感じました。
キャラクターが二人一組で出撃することを前提にしたレベルデザインなので、途中で片方が力尽きると、当然そこからの攻略は残されたもう一人がすべてを担うことになります。そうなると難度が一気に跳ね上がり、例えばボス戦ではそれこそ死闘を演じることになりました。
それはそれで縛りプレイ的な意味でもすごく面白かったのですが、できたら難度をもう一段階落としたモードが欲しいところです。難度“クララちゃん”とかどうでしょうか(錯乱)。
戦闘マップは一部を除いて基本は長方形に閉じた構造となっており、そこへ敵が時間差で出現したり、トラップが仕掛けてあったり、敵味方にダメージを与えるギミックが用意されていたりとバラエティ豊か。
戦闘は通常攻撃を連打してコンボを繋ぎつつ、間にスキルを挟みつつブラッドサーフィン、ゲージ蓄積&解放によるエクスタシースキル(必殺技)を絡めては、群がる敵を蹂躙していきます。敵に攻撃を当てると血しぶきがあがり、敵が死亡すると死体周囲に血溜まりが広がります。
なおその死体へさらに攻撃を加えると血溜まりの範囲はどんどん広がっていきます。本作は敵の血が流れば流れるほど戦闘は有利になる上に報酬もたんまり手に入るので、攻撃の手はなるべく緩めず継続するとよいでしょう。つまり、死体蹴り推奨(?) ということです。
そんなブラッドサーフィンについてですが、これは血溜まりの上を滑走することで移動速度を大きく上昇させるスキルで、サーフィン中に攻撃するとより強力な技を放つことができます。回避から移行できるアクションなので、使いこなせば戦闘を華麗に彩ります。
ところで戦闘終了毎にランダムでスキル(パッシブ系や攻撃系など)を入手できるのですが、例えば近接特化型の主人公クララに手裏剣めいた遠距離攻撃手段を与えてくれたりと、戦闘スタイルの凹凸を埋めてフォローするような使い方もできるので、戦略の幅が広がります。
一方で、ブラッドサーフィン時における特殊攻撃の操作については、「血溜まりの上で回避→サーフィンのモーション移行完了後に操作入力を受け付けて発動」という体感なので、入力から発動までのギャップに少々もどかしさを感じました。
あれ!?不発!?となっている筆者
現状だと、動き回る敵味方と血溜まりでごちゃつきやすい画面内で、自キャラのモーションを確認してから操作入力するという、爽快な見た目だけれど、ややまごつく操作感と言いましょうか……。
これを例えば「モーション途中でも入力を受け付けて発動」という具合に調整されれば、より直感的に操作できる上に爽快感を得られるかも……!なんてことも感じました。超個人的かつ勝手な意見であることは承知の上ですが!
さてこちらは全体のステージマップ。六角形のマスが敷き詰められた盤面で構成されており、戦闘やショップ、救助をはじめとする各イベントのマスが散りばめられており、その最奥にはデカデカとステージボスが鎮座ましましています。
マスは1つずつ移動可能で、最初は霧がかかって一部が見えなかったりしますが、イベント終了後に隣接するマスが開放されて選択できるようになります。またマスが連続して4つ以上並ぶとエリア効果として、報酬増加やショップ価格割引などボーナスが発生するので積極的に狙ってみるとよいでしょう。
なおステージは複数存在し、最初のステージ1のボスを倒して、ステージ2のボスを目指す、という流れなのですが……ステージ1のボスを撃破しても、出撃のたびに道程がリセットされてまた最初からになってしまいます。ステージ2を攻略したいのに、もう一度ステージ1からやり直す必要があるのは少々骨が折れました。
もちろんその頃には各キャラクターも強化されているため、絶望的に難しいということはないのですが、筆者の場合は、体力温存のためなるべく戦闘を避けつつ回復アイテムのマスを血眼になって求めていたり……!
ともあれ全体的に歯ごたえ抜群の本作、大変な部分もありますが、総じて遊べば遊ぶほどどんどん面白くなっていくのは間違いありません。早期アクセスの現時点で高い完成度であることから、製品版ではさらにどう磨き上げられるのか……今から楽しみでなりませんね。
スパくんのひとこと
戦って戦って戦ってそんでみんな目が澄んでてイキイキとしてるからより狂気を感じさせるスパよッッ!!
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