いつのころからか耳にするようになった「気になる言葉」を、漫画家でコラムニストの辛酸なめ子さんが独特の切り口で読み解く夕刊「popstyle」の人気連載「辛酸なめ子のじわじわ時事ワード」。今回は【成人男性風テディベア】(せいじん・だんせい・ふう・てでぃべあ)です。
テディベアやくまのプーさんなどの熊のぬいぐるみはいつの時代も人気アイテム。そんな熊さんが進化して、より人間の体に近付いたら……。一度見たら忘れないシュールな姿になりました。
「Loving Bear Puffy(ラビィング・ベア・パフィー)」は、顔やモフモフ感はテディベアだけれど、体つきは人間の男性というぬいぐるみ。身長は170センチもありますが、体重は3.2キロなので女性でも持ち運びできます。何も着ていない裸の状態で届くそうですが、人間用のXLサイズを買って好きな服を着せることもでき、160ドル、プラス送料という絶妙な価格です。
公式サイトやフェイスブックには、“彼”との暮らしのイメージ写真が掲載されています。後ろからハグされながら仕事する女性、腕枕してもらって気持ち良さそうに眠る女性、一緒に食事するシーンなど。 気怠 げな半眼の熊さんと一緒にいると、チルアウト(のんびり時間を過ごす)できそうです。公式サイトには、「Puffyは温かさ、抱擁、安らぎを与えてくれます。彼は孤独感を軽減してくれます」と書かれていました。「彼は家族の一員になり、いつも家であなたを待っています。いびきもかかず、汗もかかず文句も言いません」と聞くと、人間のパートナーよりもかわいく思えてきそうです。実際に使っている女性たちのレビューには、「早く眠りにつける」「彼の存在に慣れるまで数日かかったけれど今はいない生活は考えられない」といったコメントが。安眠だけでなく、男性がいるように見せかける防犯にも使えるかもしれません。
この「Loving Bear Puffy」、ブルガリアの会社が作ったそうで、サイトには会社の共同創設者でクリエイティブデザイナーのイナ・マルレバさんの写真も。職業はモデルだそうで、熊とのラブラブなシーンもスタイリッシュに見えます。インスタグラムには誰かに誕生日を祝われたり、旅行したりする写真が。男性代わりのテディベアなんて必要なさそうですが、一見キラキラした生活をしていても心は孤独なのでしょうか……。SNSの裏に潜む現代人の孤独について考えさせられます。
エモい?木彫り熊ブーム
ふわふわではなく、硬い熊の需要もあります。最近、雑貨屋やイベント会場で、木彫りの熊を見かけることが。北海道の定番お土産ですが、再注目されて 密 かな人気のようです。ポップに彩色された木彫りの熊も。ブームの理由の一つは、昭和のエモいカルチャーを感じさせるからでしょうか。ただ、昭和感漂う雑然とした和室では、木彫りの熊が溶け込んでしまいます。木彫りの熊を“ 映 え”させるのは、おしゃれで今風のインテリア。持ち主のセンスが試されます。
popstyle(ポップスタイル)は、読売新聞夕刊で水曜日に掲載。尖った企画を大胆なレイアウトでお届けする新感覚カルチャー面です。夕刊発行地域以外でもご購入いただけます。購入方法はこちら。
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