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Wednesday, May 24, 2023

「先に2人入っていいよ」と言ったものの…行列のできた深夜の ... - 幻冬舎plus

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歌人芸人・岡本雄矢さんのフリースタイルな短歌&エッセイ集『全員がサラダバーに行ってる時に全部のカバン見てる役割』が評判上々。たったの31文字で、世界はこんなにも情けなく、こんなにもドラマチックに!優しさが、切なさを生んだ!? 今日の #不幸短歌 。

*   *   *

【3人で並んでたけど2人だけ呼ばれて今1人で待っている】

 

先日、知り合いの方3人と、お酒を飲んだ後に、ラーメン屋さんにラーメンを食べに行った時のこと。

時刻は深夜2時頃だったでしょうか。

そのお店は人気店で、しかもカウンターで8席ほどしかない店なので、僕らが行った時には行列ができていました。

そこに並び、順番を待っていると、僕らの番が来て、店員さんが言ってきます。

「先、お2人様ご案内できますが」

できるなら3人で入りたいところです。

(写真:iStock.com/ablokhin)

ですが3人並びの席を待っていたら、いつになるかわかりません。

後ろにも行列ができています。

僕は咄嗟の判断で「先に2人入っていいよ」と促します。

「ありがとう」

彼らは、そそくさとお店の中に入って行きます。

「いや、俺が待つから先いいよ」とかないんだ、と少しだけ思いながらも、僕は1人で待つことになりました。

15分ほど経った頃でしょうか。

僕が呼ばれてお店の中に入ると、知り合い2人は、ほぼラーメンを食べ終わったところでした。

これから入ってくる人のために席を空けるため、彼らは店を出ます。

「外で待ってるから」

彼らは言ってくれました。

待っててくれるんだ。嬉しい!

そう思ったのは一瞬で、でも、待ってるプレッシャーの中食べなきゃいけないじゃん。

早く食べなきゃいけないじゃん。

そんな考えが、僕の中で湧き立ってきます。

僕はラーメンが来ると急いで啜り、とにかく早く食べることに集中します。

正直、味なんて堪能できてませんし、途中、口の中を火傷しました。

だけど外で2人が待ってるから。

その一心で、ラーメンを食べ終え外に出ると、2人が待っています。

「待っててくれてありがとう」

そう声をかけると、2人は「全然いいよ」と言ってくれました。

そして1人が「じゃー帰ろうか。俺タクシー乗るから。またね」と帰っていきます。

もう1人も「じゃー私こっちだから。また!」と帰っていきます。

僕は彼らとは別の方向に向かって歩き出します。

待っててくれて嬉しかったけど、どうせ3人バラバラなら、もう少しゆっくり食べれたんじゃないだろうか。

そんなことを思いながら。

(写真:iStock.com/krblokhin)

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